蔵岡 孝治
海事科学研究科 教授(専門分野:材料科学、膜工学)
海水電解用電極には、その過酷な使用環境のため、耐久性及び耐食性が求められる。
その耐食性の向上には腐食の原因となる酸素ガスなどの透過を阻害するガスバリア膜の開発が有効と考えられる。高性能なガスバリア膜の開発のために、高強度、高靱性、ガスバリア性などの優れた特徴を有するグラフェンを用いた新規な有機-無機ハイブリッドガスバリア膜の作製を検討した。
作製した膜の酸素バリア性は、グラフェン分散により向上し、有機-無機ハイブリッド膜中にグラフェンを分散、担持することはガスバリア性の改善に有効であることが示唆された。
再生可能エネルギーを用いた海洋エネルギーステーション構築のためには、その過酷な使用環境のため、耐久性及び耐食性の付与が必要である。
その耐食性の付与には、高性能なガスバリア膜の開発が重要であり、高いガスバリア性を有するポリビニルアルコールに着目し、架橋剤としてメタクリル酸グリシジル、無機化合物としてシリカを加えて新規な有機-無機ハイブリッドガスバリア膜の作製を検討した。
作製した膜は耐水性を有し、高い酸素バリア性を示した。
